信号ひとつ 先に変わってる 靴音ひとつ 先を刻んでる 乾いた香りが 風にほどけてく 深いグリーンが 夜に溶けてく まばたき まっすぐ 街またぐ まだまだ 頭は 先を探る 細い歩幅で 速度を上げる 静かな夜ほど 思考が跳ねる 硬い鍵盤 角度をつける 低いベースが 影を連れてく 視線 静止 でも意識は先へ 深夜 深く でもリズムは前へ 細いシルエット 街路をすべって 白い息だけ タイミングずれて まだ眠らない まだ止まらない 真夜中手前で 思考だけ速い スパイス スモーク すれ違う匂い ステップ スライド 少しだけ急ぎ 静けさの中 次の音を探す 夜より半歩 先を歩いてる 先 先 先へ 思考が走る 街 街 街まで 視界が滑る 音 音 音だけ 夜をまたぐ まだ まだ まだって 次を探る 角をひとつ 曲がれば静か 閉じた店先 灯りがひとつ 風の隙間を 香りが抜ける 名前も知らずに あとだけ残る 時計を見るほど 遅くはなくて 帰ると言うには 少しだけ早い ポケットの中で 指を遊ばせ 次の言葉だけ 先に並べる 冷たいガラスに 街が重なる 濃紺の奥で 紫が揺れる 誰にも急かされてないのに 思考の歩幅が 少しだけ違う 静か 静か なのに頭は止まらない 右から左 左から次へ 景色を追い越す 言葉の列 切る 切る 切る 余白を切る でも全部までは 言い切らない 深く吸う 軽く吐く グリーンの煙が 夜を巻く 一歩 二歩 もう半歩 まだ夜より 少しだけ早い 少し早い夜 少し早い夜 街はまだ 追いつかない 少し早い夜 少し早い夜 静かなままで 思考だけ速い 信号ひとつ また変わってく 靴音だけが 同じを刻む 乾いた香りは もう薄くなって 深いグリーンも 闇へ混ざってく 急いでないのに 少しだけ先へ 止まりたくない わけでもなくて ただこの夜と 歩幅が違う それだけのこと それだけでいい 少し早い夜 少し早い夜 街はまだ 追いつかない 少し早い夜 少し早い夜 静かなままで 思考だけ速い 夜より半歩 先を歩いてる


